光回線は4種類ある!それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説

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光回線をこれから導入しようとすると、フレッツ光、光コラボレーションダークファイバー系、電力会社系という4つの種類から選ぶことになります。それぞれに特徴があり、利用できるエリアや料金プラン、通信速度も異なるため、自分に合った選択をするのは簡単ではありません。

本記事では、光回線の種類と特徴を徹底的に比較・解説し、あなたに最適な回線の選び方をご紹介します。NTTが提供するフレッツ光から、通信速度に定評のあるダークファイバー系、コストパフォーマンスの高い光コラボレーション、地域密着型の電力会社系まで、それぞれのメリット・デメリットを詳しく分析していきます。

さらに、マンションやアパートなどの集合住宅で重要となる配線方式の違いについても解説。初期費用から月額料金、通信速度、サポート体制まで、失敗しない光回線選びに必要な情報を完全網羅しています。インターネット環境の構築で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

記事更新情報
  • 2025年2月12日|記事を公開しました。
  • 2025年3月3日|記事を更新しました。

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目次

光回線の4種類を詳しく解説

光回線の4種類

インターネット接続サービスの主流となっている光回線には、提供方式によって4つの異なるタイプがあります。フレッツ光、光コラボレーション、ダークファイバー系、そして電力会社系です。それぞれが特徴的なメリットとデメリットを持っており、利用環境や目的に応じて最適な選択肢が変わってきます。

光回線選びで重要なのは、提供エリアと料金プランです。フレッツ光と光コラボレーションは全国で利用可能ですが、ダークファイバー系と電力会社系は提供エリアが限定されています。また、プロバイダー契約の要否や月額料金、工事費用なども事業者によって大きく異なります。

また、マンションやアパートなどの集合住宅では、建物の配線方式によって利用できるサービスが制限される場合があります。そのため、契約前に建物の配線状況を確認することも重要です。以下では、各光回線の特徴や料金プラン、そして向いているユーザー層について詳しく解説していきます。

①フレッツ光の特徴と料金

フレッツ光

フレッツ光は、NTT東日本・西日本が提供する光回線サービスの元祖と言えるサービスです。2001年にBフレッツとしてサービスを開始して以来、日本全国で多くのユーザーに利用されてきました。特徴的なのは、全国47都道府県でサービスを提供している点と、高い信頼性です。

料金体系は、回線タイプとプランによって異なります。主なプランとしては、戸建て向けの「ファミリータイプ」とマンション向けの「マンションタイプ」があり、さらに通信速度による区分けがあります。また、10Gbpsの超高速通信に対応した「フレッツ 光クロス」も一部エリアで提供されています。

プラン名通信速度月額料金(税込)
ファミリータイプ最大1Gbps5,720円
マンションタイプ最大1Gbps3,960円〜4,510円
フレッツ 光クロス最大10Gbps6,930円

ただし、上記の料金はあくまで回線利用料のみであり、実際のインターネット利用には別途プロバイダー料金(概ね1,000円〜2,000円程度)が必要となります。地方在住の方や信頼性を重視する方に特におすすめのサービスですが、料金面では必ずしも経済的とは言えない面もあります。

フレッツ光のメリット

フレッツ光の最大の強みは、日本全国47都道府県をカバーする広範なサービスエリアです。特に地方在住の方にとって、選択肢が限られる中で安心して利用できる光回線サービスとなっています。都市部では複数の選択肢がありますが、人口の少ない地域ではフレッツ光が唯一の選択肢となることも多いです。

もう一つの大きな特徴は、NTT東日本・西日本という信頼性の高い通信事業者が提供しているという点です。長年の実績があり、安定した通信品質と充実したサポート体制を備えています。また、トラブル時の対応も迅速で、年中無休のサポートサービスも用意されています。

さらに、プロバイダーを自由に選択できる点も見逃せないメリットです。数多くのプロバイダーと接続実績があるため、料金やサービス内容を比較しながら自分に合ったプロバイダーを選ぶことができます。特にインターネットに詳しい方や、特定のプロバイダーのサービスにこだわりがある方には魅力的な選択肢となります。

フレッツ光のデメリット

最大のデメリットは、プロバイダー契約が別途必要という点です。フレッツ光は回線提供サービスのみであり、インターネットを利用するためには別途プロバイダーとの契約が必要になります。これにより、契約手続きが2回必要になり、月々の支払いも2箇所に分かれてしまいます。

料金面でも課題があります。フレッツ光の利用料とプロバイダー料金を合計すると、他の光回線サービスと比べて割高になりがちです。特に、光コラボレーションサービスと比較すると、月額料金の差が大きくなることがあります。また、工事費用も別途必要となり、初期費用の負担も決して小さくありません。

サポート面では、フレッツ光とプロバイダーの責任範囲が分かれているため、トラブル時の問い合わせ先が分かりにくいという声もあります。例えば、インターネットに接続できない場合、それが回線の問題なのかプロバイダーの問題なのかの切り分けが必要になります。

フレッツ光の料金プラン

プラン名通信速度月額基本料金(税込)工事費(税込)
ギガファミリー最大概ね1Gbps6,270円19,800円
ギガマンション最大概ね1Gbps4,730円16,500円
フレッツ光クロス最大10Gbps6,050円19,800円

基本料金は建物タイプと通信速度によって設定されています。戸建て向けの「ファミリータイプ」は料金が高めですが、安定した速度が得られます。一方、マンション向けの「マンションタイプ」は比較的安価ですが、建物の設備状況により実際の速度が変動する可能性があります。

プランの選択では、通信速度と月額料金のバランスを考慮することが重要です。一般的な利用であれば1Gbpsのプランで十分ですが、大容量のデータをよく扱う方は10Gbpsの「フレッツ光クロス」を検討する価値があります。ただし、上記料金に加えてプロバイダー料金(月額1,000円〜2,000円程度)が必要になる点は忘れないようにしましょう。

②光コラボレーションの特徴と料金

光コラボ

光コラボレーションは、NTTの光回線設備を各通信事業者が借り受けて提供する新しい形態の光回線サービスです。2015年にNTT東日本・西日本が始めた光回線の卸売りにより誕生し、現在では通信会社やプロバイダーなど、数多くの事業者が独自のサービスを展開しています。

代表的な事業者として、SoftBank光、ドコモ光、ビッグローブ光などがあり、それぞれが独自の特典やキャンペーンを用意しています。基本的な通信品質はフレッツ光と変わりませんが、料金プランや付帯サービスに特徴が出ています。フレッツ光とは異なり、プロバイダー契約が一体となっているため、手続きが簡単で料金も比較的安価に設定されています。

光コラボレーションのメリット

最大の特徴は、光回線とプロバイダーのセット契約が基本となっている点です。これにより、契約手続きが一本化され、月々の支払いも一つにまとまります。料金面でもフレッツ光+プロバイダーの組み合わせと比べて、一般的に割安になっています。

また、各事業者が独自の特典やキャンペーンを展開しているのも大きな魅力です。例えばスマートフォンとのセット割引や、キャッシュバックキャンペーンなど、多彩な特典が用意されています。さらに、フレッツ光からの乗り換えが工事不要で行えるのも、光コラボレーションならではの利点です。

光コラボレーションのデメリット

提供事業者が多いため、サービス品質や顧客サポートにばらつきがある点は注意が必要です。中には過度な営業活動を行う事業者も存在し、ユーザーからの評判が芳しくないケースもあります。また、キャンペーン内容が複雑で、申し込み方法によって適用条件が異なることもあります。

プロバイダーがセットになっている反面、プロバイダーを自由に選択できないというデメリットもあります。特定のプロバイダーのサービスにこだわりがある場合は、選択肢が限られてしまう可能性があります。

主要な光コラボレーション事業者の料金比較

事業者名月額料金(戸建て)月額料金(マンション)
SoftBank光5,720円4,180円
ドコモ光5,940円4,400円
ビッグローブ光5,478円4,378円
OCN光5,800円4,300円

これらの料金にはプロバイダー料金が含まれている点が重要です。また、多くの事業者が工事費の無料化やキャッシュバックなどのお得なキャンペーンを実施しています。契約時には、初期費用の有無や契約期間、解約金などの条件も含めて総合的に比較することをお勧めします。

なかでも、ビッグローブ光は高額キャッシュバックを実施しており、おすすめできる光コラボの回線です。

au・UQモバイルユーザーならスマホとのセット割により、スマホ料金が毎月1,100円割引されますよ。

③ダークファイバー系の特徴と料金

ダークファイバー系

ダークファイバー系は、NTTが予備として敷設した光ファイバーケーブルを利用する独自の光回線サービスです。後述する電力会社系の回線とあわせて別名「独自回線」とも呼ばれています。現在、一般向けにはauひかりとNURO光の2社のみが提供しており、限られたエリアでサービスを展開しています。通常の光回線とは異なり、利用者が少ないため混雑しにくく、安定した高速通信が特徴です。

「ダーク」という名称は、光信号が通っていない暗い状態の回線という意味から来ています。これらの回線は独立したネットワークを形成しているため、フレッツ光や光コラボレーションで発生しがちな混雑の影響を受けにくいという利点があります。

ダークファイバー系のメリット

最大の強みは高速で安定した通信品質です。独自の回線を使用しているため、他のサービスとの回線の共有がなく、混雑時でも速度低下が起こりにくいのが特徴です。特にNURO光は下り最大2Gbps、auひかりは最大10Gbpsという高速通信に対応しています。

充実したキャンペーンも魅力です。例えばauひかりでは工事費無料やキャッシュバック、auスマートフォンとのセット割引などが用意されています。NURO光も工事費を大幅に割引くなど、初期費用を抑える工夫がされています。また、プロバイダー契約が不要なため、手続きも比較的シンプルです。

ダークファイバー系のデメリット

最大の課題は提供エリアの制限です。auひかりは主に首都圏と一部の大都市圏、NURO光も関東、東海、関西などの一部地域に限定されています。そのため、お住まいの地域によってはサービスを利用できない可能性が高くなります。

また、工事に時間がかかる傾向があります。特にNURO光は開通工事に1〜2ヶ月程度必要で、さらに宅内工事と宅外工事の2回に分かれるため、立ち会いの手間も増えます。auひかりも地域や建物の状況によっては、工事に時間がかかることがあります。

提供エリアと料金

サービス名戸建て月額料金マンション月額料金最大速度主なエリア
auひかり5,610円4,180円最大10Gbps関東、東海、関西など
NURO光5,200円4,400円最大10Gbps関東、東海、関西の一部

料金は地域や契約プラン、キャンペーンの適用状況によって変動します。両サービスともスマートフォンとのセット割引が充実しており、au/UQモバイルやソフトバンクユーザーは特に大きな割引を受けられます。オンラインゲームや動画配信サービスをよく利用する方、安定した高速通信を求める方に特におすすめです。

④電力会社系の特徴と料金

電力会社系

電力会社系の光回線は、各地域の電力会社が電力供給用に整備した通信網を活用した独自の光回線サービスです。主にeo光(関西電力)、コミュファ光(中部電力)、メガ・エッグ(中国電力)などが代表的で、地域密着型のサービスとして人気があります。

これらのサービスの特徴は、独自の回線網を活用している点です。NTTの回線を使用する他の光回線とは異なり、電力会社が自社で敷設・管理する光ファイバーを使用しているため、通信速度や安定性に優れています。また、電気料金とのセット割引など、独自の特典も充実しています。

電力会社系のメリット

最大の強みは高速で安定した通信品質です。利用者が比較的少なく、独自の回線網を使用しているため、混雑による速度低下が起こりにくい特徴があります。例えばeo光では最大10Gbpsの超高速プランも提供されており、大容量データの送受信も快適に行えます。

また、電気料金とのセット割引が魅力的です。例えばeo光では、関西電力の電気とセットで契約すると月額料金が割引されます。さらに、地域に密着したサービスを展開しているため、カスタマーサポートの対応が丁寧という評価も高いです。

電力会社系のデメリット

最も大きな制限はサービス提供エリアが電力会社の供給エリアに限定される点です。特に東日本では選択肢が少なく、西日本を中心にサービスが展開されています。また、同じエリア内でも、建物や地域によって利用できない場合があります。

もう一つの課題は引っ越し時の継続利用が難しい点です。供給エリア外に引っ越す場合は、必然的に解約が必要となります。また、マンションの場合、建物の設備状況によってはサービスを利用できないケースもあります。

主要な電力会社系サービスの料金比較

サービス名提供エリア戸建て月額料金最大速度電気とのセット割
eo光関西地方5,448円最大10Gbps最大1,100円/月
コミュファ光東海地方5,720円最大10Gbps最大1,000円/月
メガ・エッグ中国地方4,070円最大1Gbps最大660円/月
BBIQ九州地方4,070円最大1Gbps最大880円/月

各事業者とも地域特性に合わせた独自のサービスを展開しています。例えば、地域のケーブルテレビとの連携や、地域限定のキャンペーンなどを実施しています。また、工事費無料キャンペーンや長期契約割引など、お得な特典も充実しています。

電力会社系の光回線は、該当地域にお住まいで、電気とインターネットをセットで契約したい方、安定した通信速度を求める方におすすめです。特に、すでに該当する電力会社の電気を利用している方は、セット割引を活用することで通信費を大きく抑えられる可能性があります。

光回線の種類の選び方

先述したように、光回線には4つの種類があります。「フレッツ光」「光コラボ」「ダークファイバー系」「電力会社系」です。

それぞれに良い点と悪い点があるので、自分の用途に合わせて選ぶことが大切です。

選ぶときのポイントは、料金、通信速度、サポートの良さ、そして自分の家で使えるかどうかの4つです。

それでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

基本的には光コラボがおすすめ

通常のインターネット利用なら、光コラボがバランスの良い選択です。

おすすめの理由は3つあります。1つ目は、料金がわかりやすく、毎月の支払いが1回で済むこと。2つ目は、申し込みが1回の手続きで完了し、問い合わせ窓口も1つなので安心なこと。3つ目は、携帯電話とセットで契約すると割引が受けられることです。

また、日本全国で使えるので、引っ越しが多い人でも安心して契約できます。一般的な用途では、光コラボで十分な通信速度が得られます。

速度重視の人はダークファイバー系や電力会社系がおすすめ

オンラインゲームや在宅勤務で大きなデータをやり取りする人には、ダークファイバー系か電力会社系がおすすめです。

他の会社と回線を共有していないため、混雑時でも速度が落ちにくいのが特徴です。大容量の動画視聴や大きなファイルのダウンロードも快適にできます。

ただし、使える地域が限られているので、契約前に必ずエリア確認が必要です。また、引っ越し先で使えない可能性もあるので注意しましょう。

フレッツ光はあまりおすすめできない

フレッツ光は全国で使える古くからあるサービスですが、料金面や使いやすさを考えると、おすすめは難しいです。

理由は3つあります。インターネットを使うのに2つの料金を払う必要があり分かりにくい点、契約手続きと支払いが2回に分かれる点、他社より料金が高くなりがちな点です。

ただし、田舎に住んでいて他の選択肢がない人や、使いたいプロバイダーが決まっている人には検討する価値があります。

光回線の配線方式の違いを解説

マンションやアパートなどの集合住宅では、建物への光回線の引き込み方によって通信品質や利用できるサービスが異なります。ここでは、光配線方式、LAN配線方式、VDSL方式という3つの主要な配線方式について解説します。

各配線方式の選択は建物の構造や築年数に大きく依存します。特に新築や比較的新しいマンションでは光配線方式が採用されることが多く、古い建物ではVDSL方式が採用されているケースが多くなっています。

配線方式通信速度安定性必要機器主な対象建物
光配線方式最大10GbpsONU新築・新しいマンション
LAN配線方式最大1Gbpsルーター中古マンション
VDSL方式最大100MbpsVDSLモデム古いマンション

光配線方式とは

光配線方式は、建物の共用部分から各部屋まで光ファイバーケーブルを直接引き込む方式です。3つの方式の中で最も高速な通信が可能で、戸建て住宅と同等の通信品質を実現できます。各部屋に光コンセントが設置され、そこにONU(回線終端装置)を接続して使用します。

主な特徴として以下が挙げられます

  • 最大10Gbpsの超高速通信に対応
  • 他の部屋の影響を受けにくい
  • 将来的な高速化にも対応可能

ただし、既存の建物に新たに導入する場合は大規模な工事が必要となるため、主に新築マンションや大規模リフォーム時に採用されることが多い配線方式です。

光配線方式のメリット・デメリット

メリットとしては、高速で安定した通信品質を実現できる点が最大の特徴です。光信号が各部屋まで直接届くため、通信速度の低下が少なく、他の部屋の利用状況にも影響されにくいという利点があります。特に以下のような用途に適しています:

  • 大容量のデータ送受信
  • オンラインゲーム
  • 高画質動画の視聴
  • Web会議・テレワーク

一方、デメリットとしては、ONUの設置スペースが必要という点や、初期費用が比較的高額になる可能性がある点が挙げられます。また、建物の構造によっては導入できない場合もあります。

LAN配線方式とは

LAN配線方式は、建物の共用部分まで光ファイバーを引き込み、そこから各部屋までをLANケーブルで接続する方式です。共用部分に設置された集中装置で光信号をデジタル信号に変換し、各部屋へ配信します。光配線方式と比べると若干速度は落ちますが、導入コストを抑えられる利点があります。

この方式では、各部屋にはLANポートが設置されており、そこにパソコンやWi-Fiルーターを直接接続して使用します。ONUなどの特別な機器が不要なため、機器の設置スペースを取らず、配線もすっきりとまとめることができます。

LAN配線方式のメリット・デメリット

メリットとしては、以下の点が挙げられます

  • 機器の設置が簡単で配線がすっきり
  • 導入コストが比較的安価
  • 既存のLAN配線を活用可能

一方、デメリットとしては以下の点があります

  • 最大速度が1Gbps程度に制限される
  • 建物内の利用者が増えると速度が低下する可能性がある
  • LANケーブルの品質により通信速度が影響を受ける

VDSL方式とは

VDSL方式は、建物の共用部分まで光ファイバーを引き込み、そこから各部屋までは既存の電話回線を利用する方式です。主に古い集合住宅で採用されており、新たな配線工事が不要なため、導入が容易という特徴があります。

この方式では、各部屋にVDSLモデムを設置する必要があります。モデムで電話回線を通じて送られてくる信号を変換し、インターネット接続を実現します。3つの方式の中では最も通信速度が遅く、安定性も劣りますが、古い建物でも比較的手軽に光回線サービスを利用できます。

VDSL方式のメリット・デメリット

メリットは以下の通りです

  • 既存の電話回線を利用するため工事が最小限
  • 導入コストが最も安価
  • 古い建物でも導入しやすい
利用環境VDSL方式の実効速度安定性
共用部分までの距離が近い50-100Mbps
共用部分までの距離が遠い30-50Mbps
混雑時間帯10-30Mbps×

デメリットとしては以下の点が挙げられます

  • 最大速度が100Mbps程度と遅い
  • 距離による速度低下が大きい
  • 他の部屋の利用状況の影響を受けやすい
  • VDSLモデムの設置スペースが必要

VDSL方式は、基本的なインターネット利用やメール、Web閲覧程度であれば問題なく利用できますが、大容量データの送受信や動画視聴、オンラインゲームなどの用途には適していません。特に、テレワークやオンライン授業などで安定した通信環境が必要な場合は、他の方式の検討をお勧めします。

自宅で契約できる光回線の確認方法

光回線を契約する際は、お住まいの地域や建物でどのサービスが利用可能かを事前に確認することが重要です。特に集合住宅では、建物の配線方式によって選択できるサービスが制限される場合があります。ここでは、確実に光回線を導入するための確認方法を詳しく解説します。

エリア検索の方法

まずは各事業者の提供エリアを確認します。主な確認方法は以下の3つです

  • 各事業者のWebサイトで郵便番号や住所から検索
  • フリーダイヤルでのお問い合わせ
  • 現地調査の依頼
事業者タイプ確認必要項目注意点
フレッツ光・コラボ光NTT回線の提供状況マンションタイプの場合は建物の対応状況も確認
ダークファイバー系独自回線の提供エリアエリア内でも工事可否の現地調査が必要
電力系電力会社の供給エリアマンションの場合は管理会社への確認も必要

特に注意が必要なのは、エリア検索で「提供可能」と表示されても、実際の建物設備や周辺環境によっては工事ができない場合があるという点です。確実を期すためには、具体的な住所での確認と、場合によっては現地調査が推奨されます。

マンション・アパートでの確認ポイント

集合住宅では、建物固有の制約により利用できるサービスが限定される場合があります。以下の点を必ず確認しましょう

  • 建物の配線方式(光・LAN・VDSL)
  • 既存の光コンセントやLANポートの有無
  • 管理組合や管理会社の工事承認の要否

確認手順としては以下のような流れをお勧めします

1. 建物設備の確認

  • 部屋内の配線設備を目視確認
  • 管理会社に導入済みサービスを確認
  • 既存入居者の利用状況を確認

2. 工事可否の確認

  • 新規の配線工事が可能か確認
  • 工事に必要な申請手続きの確認
  • 工事費用の負担範囲の確認

3. サービス提供事業者への確認

  • 建物への引き込み工事の可否
  • 工事期間と必要な立ち会い
  • 具体的な月額料金と初期費用

特に集合住宅では、建物によって導入済みの光回線サービスがある場合があります。その場合、導入済みのサービスを利用する方が工事や手続きの手間を省けることが多いため、優先的に検討することをお勧めします。

まとめ:自分に合った光回線の選び方

光回線の種類は大きく分けて、フレッツ光、光コラボレーション、ダークファイバー系、電力会社系の4種類があります。これらの中から自分に合った光回線を選ぶためには、利用目的や住んでいる地域、予算など、複数の要素を総合的に検討する必要があります。

まず利用目的によって選び方が変わってきます。オンラインゲームや動画配信、テレワークなど大容量の通信を必要とする場合は、ダークファイバー系のauひかりやNURO光がおすすめです。これらは利用者が比較的少なく、安定した高速通信が期待できます。一方、通常の利用であれば、光コラボレーションのソフトバンク光やドコモ光など、プロバイダ込みで料金が安く設定されているサービスが適しています。

地域による選択肢の違いも重要なポイントです。フレッツ光と光コラボレーションは全国で利用可能ですが、ダークファイバー系や電力会社系は提供エリアが限られています。特に電力会社系の光回線は西日本エリアに集中しており、eo光やコミュファ光など地域密着型のサービスが中心となっています。引っ越しの可能性がある場合は、全国展開しているサービスを選ぶことをお勧めします。

料金面では、以下の要素を確認して総合的に判断しましょう

  • 月額基本料金と実質的な割引後の料金
  • 工事費と契約期間中の総額
  • キャッシュバックや特典の内容
  • 携帯電話とのセット割の有無

特に携帯電話会社が提供する光コラボレーションは、セット割引が大きな特徴となっています。例えばソフトバンク光はソフトバンクユーザーなら年間13,200円、auひかりはauユーザーなら同じく年間13,200円の割引を受けられます。現在契約している携帯電話会社の光回線サービスを検討するのも、賢い選択肢の一つです。

マンションにお住まいの方は、配線方式にも注目する必要があります

配線方式特徴適している利用者
光配線方式最も高速で安定した通信が可能大容量通信を行う方
LAN配線方式設定が簡単で工事の手間が少ない一般的な利用をする方
VDSL方式既存の電話回線を利用するため速度が遅い基本的な利用のみの方

最後に、契約を決める前に必ず提供エリアの確認と実際の通信速度の調査を行いましょう。各事業者のWebサイトで郵便番号やマンション名を入力することで、利用可能なサービスを確認できます。また、検討しているサービスの評判や口コミをチェックすることで、実際の利用状況を知ることができます。これらの情報を総合的に判断し、自分のライフスタイルに合った光回線を選択することが、快適なインターネット環境を実現する近道となります。

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